読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

レガシーコード生産ガイド

私に教えられることなら

20時間、1つの目的のために練習してみる

様々なことを日々学び、大きな目的に邁進したいと思っているんですが、何を学ぶか・どの目的を選ぶかで麻痺してしまい腰が重くなる一方でした。どうにかしたいと思い続けていたんですが、ようやく打開できそうな考えを見つけ、実践することもできました。

きっかけとなったのは次の2冊の本です。

原題は「THE FIRST 20 HOURS」で、何か新しいことを学ぶときに最初の20時間ぐらいはイライラしてやめてしまいやすいので、それを乗り越えることに集中しようという趣旨の本です。楽しめる程度まで上達するにはどこを抑えればいいのかまず時間をかけて分析し、それ以外の余計な部分は省くというスタンスが参考になりました。「基礎が大事」という呪いのような考えのせいで動けなくなっていたのだな、と自分を見つめなおすことになりました。

書籍自体は、最初の方でわかりやすくスキル習得方法がまとめられ、あとの7割ほどは作者の体験談です。この配分で賛否分かれているみたいですが、私は感情移入してモチベーションが上がるタイプなので好印象でした。

エッセンシャル思考 最少の時間で成果を最大にする

エッセンシャル思考 最少の時間で成果を最大にする

もう一冊は、あれもこれもと欲張るのではなく、一つのことに集中しよう、トレードオフを受け入れよう、という考えについての本です。面白いのが、まず前半は本当に耳に痛い事が書かれていることです。

私と出会った頃には、彼の努力は少々度を越していた。あらゆることを学び、何でも自分でやろうとしていたのだ。毎日新たなことに興味を持ち、数時間後にはもう別のことを学んでいる。あまりに興味の対象が多すぎて、大事なものとそうでないものの区別がまったくつかなくなっていた。「すべてが大事」だと思い込んでいたのだ。

ある企業で働くマネジャーは、常に最優先事項を5つ抱えているのだと嘆いていた。これでは、何も優先していないのと同じだ

もう一つ面白いのが、著者自身も「一番大事なこと」に集中しきれていないなと読んでいてはっきりわかることです。後半は自己啓発書によくあることを結びつけようとして失敗し、散漫であまり価値がないものになっています。なるほど、何が大事なのかを見失うとこういうことになるのだな、といういい見本です。

あまり薦められない気もしますが、優先事項を抱えすぎて何も優先できていない自分をはっきりと自覚したので、印象に残る一冊にはなりそうです。

実践

この2冊に影響を受け、何も優先できない状態から抜け出すために、「何が大事か」に集中して20時間練習してみることにしました。題材はRuby on RailsとDockerです。正直に言うと触る前はどちらもあまり好きでは無く、必要だけど避けたいという気分でした。

取り組み方はシンプルで、

  1. 向かいたい、一つの目的を決める
  2. それに必要そうなものを調べて、やることを書き出す
  3. 使用可能な時間を厳し目に決めて、ちょっとでも関係無さそうなことは全部切り捨てる
  4. 一つの目的に沿っているか注意しつつ進める

というものです。4の確認を楽にするために、25分を1単位とするポモドーロテクニックで進めて、1単位終わる度に落ち着いて見返すことにしました。

いざ取り組んでみると、かなり目覚ましい効果がありました。使用可能な時間が決まっているので、無駄なことはできません。本当に目的に沿ったことだけを選択していく必要があります。始める前はそれがストレスになりそうだとも思っていましたが、実際には余計なことに取り組まなくてもいいという免罪符になり、かなり快適に進められました。

長いけど良い、と有名らしいチュートリアルを写経していたのですが、途中で割り当てた時間を使い切ってしまいました。よくわからないまま動かしていることにうんざりし始めてもいました。いつもならそこでやめてしまうか、ダラダラと続けたあとチュートリアルが終わった時点で別のことに移っていたと思います。しかし今回は「手を動かしてRailsに慣れる」という目的を設定していたので、そこで打ち切って、いくつもプロジェクトを作って実験し、動きを確かめることにしました。これが上手くいって少し慣れてきたので、残り時間で複数ユーザ対応・コメント欄ありの簡単なブログを作り上げることができました。このときも1時間半ほどCSSの微妙な調整にこだわったり、動かないテストフレームワークに2時間ハマったりしましたが、気づいた時点で「これは今やることじゃないぞ」と思い直し切り捨てることができました。20時間経った後も、慣れているnode.jsを使って制作予定だった事務関係のツールをRailsで作ったりと、確実に道具箱に居場所ができたと感じました。

Dockerの方は明確な目的があったので、さらにそれを一つの目的に絞り、それ以外の不要な膨大な情報を無視することができました。大量に覚えることがありそうで怖気づいていたのですが、一つのことだけできればいい、と思うことができるとすんなり始められました。夜道を照らす明かりのようです。一番核の部分の便利さがわかったので、少しずつ他の便利な機能も調べていきたくなりました。

意外だったのが、割と厳しい計画を立てたのに、それを上回るモチベーションで達成できたことです。ここ数日間、空き時間もフルに使って取り組んでいました。また、設定した時間が過ぎれば終わりだと意識せざるを得ないせいか、いつも感じていた「他の事も学ばないといけない」という焦燥感が一切ありませんでした。

あまり居ないかもしれませんが、私のように

  • 何か一つの目的のために邁進したいが、これだ!と言うことができず、迷って麻痺している
  • 様々なことを学ばないといけないと思い、計画を立てたりしているが、結局腰が上がらない
  • いろいろなことを抱えるのが嫌になり、たまに全てを投げ出したくなる

という人にはオススメです。

広告を非表示にする